岐阜軸装には現在3名の一級表装技能士が在籍しており、各フロアを統括しています。
彼らのもつ、表具の成り立ちや意味合いの知識、紙、糊、裂地(布)などの素材に対する知識に基づき、現在まで50年以上に亘り年間5万本ほどの掛軸を作り続けてきました。
その豊富な経験を踏まえ、全作業員への指導と知識の共有をはかり、日々作業を進めています。
また、新しい素材へも果敢に挑戦をし、実験を繰り返しながらこれまでの常識に捉われることのないよう、より良い作品を皆様にお届けできるよう技術の研鑽と知識の向上をおこなっています。
お客さまからお預かりする作品は、それぞれ支持体の素材(和紙や絹など)や厚み、絵具の種類や使用量が異なります。これらの作品に対して、知識や経験豊富な表具師がひとつひとつの作品と向き合い、裏打ち紙の厚さや種類、糊の濃度などを選り抜き制作しています。
また、プレス機による裏打ちでは熱圧着をするため、作品に応じて設定温度やプレス時間を調整し、プレスした後に冷却時間を設けるなど、お客様の作品に対する想いをより良い形にできるよう努力と研究を重ねています。
掛軸とは、作品を守り、ひきたてる目的で表装が施されます。
しかし、時間が経つにつれて徐々に周りの裂(きれ)から傷み始め、最終的に本紙までも折れや破れ、虫喰いなどといった劣化をしていきます。
岐阜軸装では、そんな古くなった作品を仕立て替えることで、お客さまの大事な作品を50年、100年、さらにその先へと守っていくお手伝いをいたします。
仕立て替えでは、これ以上作品の劣化が進まないように必要な補修や修繕、巻いたときに再度折れないようにするための補強、本紙の染み抜き、将来再度仕立て替えをする際に、容易に剥がせるような裏打ちをし、作品を痛めないよう取り扱いには細心の注意をはらいながら作業を進めています。
また、お客さまの使用状況によって掛軸の寿命が大きく変わるため、使用方法や管理についてアドバイスをしていくことも心がけています。
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